デジタル原稿の描き方

2008/03/09
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はじめに

近年では、パソコンで漫画を制作することも一般化してきています。 作業の効率化、スピードアップ、効果的な演出など、デジタル化にするメリットは多くあります。 漫画賞でも、デジタル原稿の投稿を受け付けている出版社もあります。 ここでは、パソコンとソフトウェアを使ったデジタル漫画の基本的な描き方を解説します。価格は参考程度に考えて下さい。

必要な道具

パソコン本体(OS) プリンタ スキャナ 外部記憶装置 タブレット ソフトウェア

ソフトウェアについて詳しくはこちらを参照して下さい。

環境について

パソコン本体の機能 周辺機器を接続するインターフェイス 解像度の設定

ソフトではまずはじめに画像解像度を設定します。 解像度は、ラスター画像(ビットマップ画像)における画素の密度を表わす単位(dpi)で、 高いほど滑らかに表示され、低いとギザギザ(ジャギー)になります。 デジタル原稿の解像度は、300dpi以上、600dpi、1200dpiなどが望ましいです。

アンチエイリアスの設定

ほとんどのソフトウェアは、画像を滑らかに表示させるため、画像の輪郭をぼかす「アンチエイリアシング」という機能があります。 しかし、解像度の高い画像にはあまり必要なく、輪郭がぼけたような画像になってしまうので、アンチエイリアスは使用しない方が良いです。 ソフトのオプションなどで設定できます。各ツール毎に設定する必要がある場合があります。

色空間の設定

色空間をソフトウェアで設定します。モノクロ原稿の場合は、基本的には「モノログ2階調」か「グレースケール」に設定します。 カラー漫画の場合は「CMYK」が望ましい(印刷機やプリンタがCMYKインクで印刷するため)ですが、 CMYKに設定できるソフトは限られているので、出来ない場合は「RGB」にします。

カラーマネージメントの設定

パソコン本体、ソフトウェア、プリンタ、スキャナなど、それぞれ、デバイスの色空間を定義した 「ICCプロファイル」が設定できるものがあり、これらは共通に設定する必要があります。 また、元々高解像度で作成した画像の場合、それぞれの「自動補正機能」などは使用しない方が良いです。

WYSIWYGの実現

ディスプレイに表示されるものと印刷結果が一致するようにすることで、 「あなたが見るものはあなたが得るもの」という意味です。 昔のMacintoshは、周辺機器を含めて解像度が72dpiで統一されていたので、 完全なWYSIWYGが可能でしたが、現在は解像度のほか色空間、プロファイル、 ソフトウェアやデバイス独自の補正機能などが複雑に絡み合い、 WYSIWYGを実現することは不可能に近いですが、 表示通りの印刷結果を目指すことはデジタル環境における大きな課題となっています。

制作について

画像形式 入稿

デジタル原稿が完成したら、MOなどに保存して入稿や投稿したり、 「出力センター」やプリンタで印刷を行います。 この時、相手に合わせてデータを調整する必要があります。 色空間やフォントについて特に注意が必要です。 ドローソフトの場合はフォントはアウトライン化します。 トンボも必要な場合があります。

Photoshopの使い方

スクリーントーン

Photoshopだけでもトーンを再現することが可能です。トーン化には様々な方法があり、また、プラグインなどもあります。

スクリーントーン(方法1)

プリンタ側でトーン化することが簡単確実な方法です。主にレーザープリンタで設定可能です。 グレーに塗った部分が、濃さに合わせて自動的に網点トーンになります。

スクリーントーン(方法2)

「モノログ2階調」で「ハーフトーンスクリーン」線数を「30〜60」、角度「45」、「円」に設定すると グレーに塗った部分が自動的に高品質な網点トーンになります。

スクリーントーン(方法3)

グレー部分を選択して「カラーハーフトーン」フィルタで「チャンネル」を全て「45」にして実行すると自動的に網点トーンができます。 これは「Photoshop Elements」でも可能ですが、「モノログ2階調」に比べて品質は落ちます。

スクリーントーン(方法4)

設定により綺麗な網点トーンも作れます。まずトーン化したい部分をグレーに塗ります。そして自動選択ツールで オプションバーの設定を「選択範囲を1つだけ作る」、「許容値」を「1」、「隣接」のチェックをはずします。 その上で画像の黒の部分と白の部分をshiftキーで選択して「選択範囲を反転」します。 そして「コピー」をしてそのまま「ペースト」するとレイヤ化されて「選択範囲」が解除されます。 次にそのレーヤー画像に「カラーハーフトーン」フィルタ「最大半径」は「4〜8」、 「チャンネル」は全て「45」をかけて、トーン化します。 この後、「画像を統合」して「モノログ2階調」にして再び「グレースケール」に戻せば完成です。

スクリーントーン(方法5)

プラグインソフトがあります。

スクリーントーン(方法6)

パターンを利用してトーンを再現できます。自動トーン化ではありませんが、高品質で自由な柄にもできる確実な方法です。

スピード線と集中線

Photoshopだけでも描くことは可能です。ただ、プラグインソフトの方が仕上がりは綺麗です。

スピード線と集中線(方法1) スピード線と集中線(方法2)

プラグインソフトがあります。

ぼかし
ぼかし
  1. 「フィルタ」の「ぼかし(放射状)」を選択
  2. 種類を「ズーム」にして「量」などを調節してOK
スキャナ

B4原稿をA4スキャナで読み取る場合は、半分に分けて読み込んで2つの画像を合成する必要があります。

スキャナ(方法1)

片方を切り抜いて描画モードを「乗算」にして貼りつけて画像を統合できます。

スキャナ(方法2)

「Photoshop Elements」では合成写真自動作成機能「Photomerge」を使って自動的に合成する事ができます。

ゴミ取り

スキャナで取り込んだ画像はまず、線画の抽出をゴミ取りを行います。これには様々な方法があります。

ゴミ取り(方法1)

「レベル補正」では画像の劣化を少なく、明るさの調節ができます。

ゴミ取り(方法2)

「明るさ、コントラストの調節」では明るさを上げてゴミの除去、コントラストを高くして線画を強調できます。

ゴミ取り(方法3)

「モノクロ2階調」で50%を基準にして、線画の抽出、アンチエイリアスの除去ができます。

ゴミ取り(方法4)

「消しゴム」ツールでは手動でゴミを取り除きます。「階調の反転」をするとゴミが浮き出るので見つけやすいです。

ゴミ取り(方法5)

自動でゴミ取りを行うプラグインも沢山あります。

描線を繋ぐ

ブラシツールのポインタで一方の線をクリックして、 もう一方の線にポインタを移し、shiftキーを押しながらクリックをすると自動的に線が繋がります。

白フチ

白フチを付けたい部分を選択範囲にして「境界線」ボックスを開いて「幅」を適当に調節、 「カラー」を白に指定して、「位置」を外側にすれば完成です。

透明化

Illustratorの使い方

線画をパスに変換する

サンプル画像サンプル画像2

Illustratorでは、画像をベクターデータで扱うため、拡大や縮小による画像の劣化がありません。 漫画のようなモノクロの線画などはベクターデータに適しています。 スキャナで取り込んだ画像(ラスターデータ)はいくつかの方法でベクターデータに変換することができます。

線画をパスに変換する(方法1)
  1. Photoshopで上記の「ゴミ取り」をします
  2. 自動選択ツールで「隣接」のチェックをはずし、黒い部分を選択
  3. 「パス」ウィンドウを選択し、「選択範囲からパスを作成」を選択
  4. さらにウィンドウ右上の矢印から「グリリッピングマスクを作成」を選択
  5. コピーしてIllustratorに貼り付け
線画をパスに変換する(方法2)
  1. Photoshopで上記の「ゴミ取り」をします
  2. ヘルプから「透明画像の書き出し」を選択
  3. ナビにしたがって「EPS」形式で保存
  4. Illustratorで保存したファイルを開きます
  5. 配置された画像だけを消去するとパスが残ります
線画をパスに変換する(方法3)

Illustrator CS2からは「ライブトレース」機能があり、自動で簡単に変換できます。

線画をパスに変換する(方法4)

「Adobe Streamline」というソフトで自動変換できます。

スクリーントーン

トーン

「スウォッチ」で作成できます。Illustratorのプログラムがあるフォルダの中の、 プリセットフォルダのパターンの中にある、点やグラデーションのサンプルから選択します。 また、「パターン」を登録することでオリジナルのトーンも作成することができます。

WEB公開について

PDF

デジタル漫画をWEB公開する場合、画像をPDF形式で出力する方法があります。 PDFは画質が良く、サイズも小さく、フォントを拡大しても綺麗に扱え、さらに見開きにも対応できます。 多くのサイトで利用されています。

WEBサイトについて

ホームページの作り方について詳しくはこちらを参照して下さい。


出典:Wikipedia GNU Free Documentation License
参考文献:天才パソコミ塾(集英社)
漫画家を目指している人の広場