持ち込み体験談
まことさん 初投稿させていただきます。よろしくお願いします。 過去にメディアファクトリー社や小学館にも持ち込んだことがあるのですが、今週初めて講談社のアフタヌーンに行ったので、今日(11/11)の誕生日にあやかって(?)体験談を投稿いたします。 繰り返しますが講談社は初めてだったのですが、護国寺駅のすぐ上なので迷いませんでした。 そして受付にサインをし、編集さんを呼んでいただいたのですが、「まだ来ていないみたいです。少々お待ちください」。うん、これは今までもあったので大丈夫。しかし、ようやくやってきた編集さんは約30分後。 そして最初の言葉は「ごめんね、なんか予約入ってた気がするけど忘れちゃってました...。スケジュール表を見て、やっと思い出しました。本当にごめん」と妙な低姿勢w ちなみに編集さんはちょっと太ってて顎鬚の方でした。 で今回講談社と言うことで、時間はあまり取れないだろうと、2作だけ見せました。 パラパラと編集さんは過去の作品と新作を見て(今までで一番読むスピードが早い)、まず最初の批評。 「話が急に始まって、急に進んでしまってますねぇ。2作とも共通してて、読者が置いてかれてしまってます。」 シナリオについて。 「プロットの段階、いや企画の段階で荒削りされててしっかり汲み取ってない気がします。」←最初の段階で躓いていると言うこと。 とにかくぐいぐい来る編集さん。 「読み手を意識していないので、描いてる人と、読む人の齟齬があることを理解して下さい。」 今回持ち込んだマイナースポーツのジャンルについて。 「実はね、漫画の世界だと売れるというか、読み手が付いていけるスポーツ漫画って、野球とサッカーぐらいなんだよね。それは皆(読み手)がルールを理解してるからなの。マイナースポーツはデビューしてから連載として挑戦するのはいいけど、持ち込みの段階ではまだ早すぎる。僕なんか編集やってるのにバスケのルール知らないから、バスケ漫画全然読んでないもん。」 実は私、このアドバイスには「ぽかーん」としてしまいました。編集さんて今のトレンドを掴むために色んな本を読んでいると思っていたのに、この編集さんはバスケ...いや、スラムダンクさえも読んだことがない様子でした。(ちなみに何故かこの辺りからタメ口になってきたようなw) キャラクターについて。これは今までと違い、キャラが立っていたように言われた気がします。 ただしつこく「とにかくキャラを見せる!もっと魅力的に!読者が好きになってくれれば大きな武器になる!」みたいなことは言われました。 作風について。 「多分他のところでも言われたと思うけど、古いね。最初の1ページで『ああ、もったいないなあ...』って思っちゃった。暗い表情とか、必要以上にオーバーなリアクションをするのはもう使い古されてるよ。実は極端だけどオーバーな表情が受けたのは、水木しげる先生や、赤塚不二夫世代まで。だから微妙な表情を表現できるように、嫌かもしれないけど、今が旬の絵をよく観察して。」 思えば昔は今流行の絵を観察しまくってたのに、今は年を取ってしまったからか殆ど研究してなかったな...。今日放送された大人気の「エヴァンゲリオン」の貞元先生の絵ですら「もう古い」と言われているみたいなのに...(←これ本当らしいっす)。 それでも何とかなってしまう方法がある。 「なんでもいいから『面白いー!!』と100人のうち20人でもいたら、何とかなっちゃうものなんだよね。逆に10人前後だったら厳しい。漫画はカラオケと同じで100からマイナスされていく世界だから、その100の光をどのくらい保てるかがポイントだね」 アフタヌーンを選んだのは寄生獣が好きだったから(これは本当)なのと、古い絵や作風でも見てくれる人がいるのではないか?という邪悪な理由だと伝えて返ってきた言葉。 「あー岩明さんが好きだからこの作風なのかー。なんか分かるなあ...。はっきり言って、今日持ち込んだ漫画、その時期の頃か90年代~2000年代くらいに持ってきてくれたら大化けしてたかもしれない。」 ...びっくりしました。(なお帰宅後、兄の感想としては「10年先を追わなきゃね」とアドバイスをもらいました) 持ち込み先の邪悪な理由について。 「実はね、アフタヌーンに持ち込む人の8、いや9割りはそう思っちゃってるんだよね。個性的な作品が多いから拾ってくれるだろうって。でもやっぱり求めてるのはただひたすら面白い漫画だよ。」 ちょっとしたヒント。 「暗黙のルールはいくつかあるけど、まずゲームのシナリオから影響してはいけない。」 「自分の頭の中でだけ道(ストーリー)を追ってはいけない。読者を意識して。この際言うけど、ストーリー、絵柄共々技術不足、勉強不足だから、なんとかやってほしい。」 「応募暦見たけど、結構長年持ち込みしてるね。なのになんでデビューできないの?持ち込んでいない間何をしていたのかも聞きたいけど、4年持ち込んでるのにデビューできないのは、自分で悪いところに気付いてないからだね。」 つまりは、 ・プロットの段階で躓くと最後まで躓いてしまうので、もっと練りこむこと。 ・とにかく魅力的なキャラクターをつくり、読者に興味を持たせる工夫をすること。 ・自分の頭だけで話を進めてはいけない。悪いところに気付かなくなってしまう。 凄く簡略的にするとこんな感じのアドバイスでしょうか。 これからどうするか。 「『漫画の描き方~』云々の指南書はいくつもあるけど、実は殆ど役に立たない。なら短編集を見て勉強するか?それでもいい。だけど個人的にもっとお勧めの指南書があるから手元においてほしいな。その本のタイトルは...(具体的なタイトルが出てしまうので省略)」 「新人賞(アフタヌーンでは「四季賞」)では必ず大賞を出すけど、本当の話『仕方なく』選抜してるんだよね。『必ず出します』と言ってて出さないのは詐欺だろうと思われてしまうので出してるけど、大賞取ってもそのまま消えてしまう人は多い。それはもちろんデビューはスタートラインに立っただけで、本当に大変なのはプロになってからだから」 「売れている人の共通点はネーム(漫画の下書きの下書き)を半日で完成させてしまうところ。それは最初から優れたプロットが出来てるからなんだよ。」 一番心掛けておくこと。 「売れるキャラ、ストーリー、絵を心掛けること!もうこれさえあればなんでも良い」 アドバイス終了後1。 「実はね、出版社に持ち込むのには良いタイミングがあるんだよ。それは...」(←聞きましたが、志望者が増えそうなのでカットw) アドバイス終了後2。 「この漫画四季賞に回してもいいけど、もっとたくさんの出版社に当たって見てほしいな。一人のアドバイスじゃ偏っちゃうからね。『ここが一番脈あり!』と感じたら改めて投稿して、もっと多くの人に見てもらうといいと思う。四季賞は終わったばっかりだから、次の四季賞までに色々回って、今日が一番感触がよかったのなら、改めてここに投稿して欲しい。僕一人じゃ限界があるけど、投稿なら必ず見てくれる人が増えるから、そういう方法をとるのが一番いいと思うよ。」 私、どういう顔をすればいいんでしょう。 遠回しに「なんとかなるかもしれない」って言ってもらえてる...? ちなみにこの持ち込みのアドバイス時間は、コミックジーンの時とほぼ同じ2時間弱でした。 編集さんの帰り際の一言。「よし!頑張れ!頑張って!」が忘れられません。 いや、忘れてはいけない。 今回、最後の方で描いている最中に何度もやめようかと思ったことを編集さんに伝えたところ、 「それでもちゃんと描き上げたんだよ。君は偉いんだよ。」 と言う言葉を頂いてしまいました。 以前「未来シアター」で放送された、人形劇俳優の平常さんの母の言葉、 「物事嫌いになってからが一人前の始まりなのよ」 この言葉を思い出してしまいました。 平さんだけではなく、私も「やっぱり描き上げよう」と思った一言です。 どうなるか分からないけれど... 私は続ける!! ちなみに今回「面白い」「つまらない」と言った言葉は出てきませんでしたw ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
更新:2015年4月10日