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小学館週刊少年サンデーの持ち込みに行って来ました。

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持ち込み体験談

宵山さん 05/05/03

小学館週刊少年サンデーの持ち込みに行って来ました。
持参したのは時代モノファンタジー35p。
5日前に電話で予約をとっておきました。
小学館の受け付けロビーは大きく開いていて、入りやすい印象です。
氏名・住所・年齢、他もろもろを書いて編集部の6階へ。
すぐに編集さんが出てきて原稿を見てもらえました。
私が『持ち込みノート』とかいう黄色い紙に、ペンネームや好きな漫画、趣味などを書いている傍らで、編集さんが原稿を読むという形でした。
この『持ち込みノート』の折り込みにはABCD評価の欄があって、『絵』『話』『ギャグ』『キャラクター』をそれぞれ評価してもらえるようになってます。
編集さんの読み方としては一枚一枚話の展開を追いながら、絵をじっくり見る感じで、『そんなに見るな!アラがばれる!あ、ばれた!』とか心の中で絶叫。
先程私が書いていた『持ち込みノート』が読み終わると共に回収され、ABCD評価をつけつつ講評。
結果としては、『絵柄は良いけど、線が死んでる』ということで、生きた線が書けてないからどうしても拒絶してしまうんだそうです。線さえ直せれば、話・構図・展開は標準以上・かなり上手いだとか。(評価:DBBB)偏ってますな。
サンデーには私の様なタイプは珍しいそうです。絵が上手いのにストーリーがボロボロの人がほとんどだとか。
まるで珍獣のような眼差しで見られました。
弱点克服のためにひたすら話し合い(悩み合い)真剣に悩んでくださいまして、具体的な練習方法等も教えて頂きました。
今年は浪人だと言うと『まず勉強だね、やっぱり大学に行って見聞や経験を広げる事が面白いマンガ作りにも役立つだろうし。大丈夫焦らないで』というやさしい言葉が・・・
職場、というか編集部自体の雰囲気もとても良くて、ああ楽しいんだぁ、と少し和み。他誌に対する私の見解や酷評に爆笑してくれたりと楽しくも充実した時間をすごしました。
『持ち込みノート』は私の手元に返され、『次持ち込む時はこの紙を持ってきてね』と言われました。家に帰ってこの持ち込みノートのハシガキを見ると結構気づかされる事も多く、とても面倒見が良い出版社さんでした。


さて、小学館を出た私はすぐさま隣りの『集英社』へ。ターゲットはジャンプです。小学館での編集さんが、
『この原稿をもっと他の沢山の出版社へ持ち込むのも良いと思う。話や講評を聞くだけならタダなんだから身になる事も多いんじゃないかな』
などと言ったので。大胆にもその足でジャンプに乗り込みました。アポ無しだったのですが以前もアポ無しでネームだけ見てもらった事があり、駄目モトで切り込んだらOKをもらいました。ロビーで待つこと30分。編集さんがいらっしゃってすぐ読んで頂けました。
第一声
『何にも無い漫画だね』
はい?小学館でストーリーにかなり高い評価を貰った直後なだけに、ストーリーを全面否定されるというのは予想外でした。要は作品にテーマらしいテーマが盛り込まれていないと言う事なのでしょう。一応は『運命論の否定』がテーマとなりうるのでしょうが、明確なテーマとは言えないようです。
『絵も苦しいね』
「あの、具体的にストーリーと絵柄にどんな問題があるのでしょうか?」
『ここがどうなってるのか分からないし、光源は何処?遠近法も使いなれてないでしょう、無駄なコマワリも多いね、何となくで描いてるでしょ。何でここコマ2段にしてるの?』
「“間”みたいな感じで・・・」
『間 ねぇ・・・、ストーリーの方はまずキャラが掴めない。主人公の・・・この黒髪の子が特に・・・』
「・・・・」(それは主人公じゃないし本来の主人公は作中でばっちり主人公宣言してるんですが。←サンデーでは間違えられなかった)
『あと展開に重みが無いよね、書くならアレもコレもソレも書かないと、心情の変化も全く無いし』
「・・・・(アレもコレもソレも描いたら恐ろしい長さになるんですけど)
 じゃぁ、たとえばどんな練習や対策をたてればいいでしょうか?」
『あーそういうのって、個人差だから。』
「・・・・・」(自分で考えやがれってか?アドバイスすら無しか?)
『まぁまだ18だし、5年マンガに費やしても23。何とか見れるようになるんじゃない。』
「・・・・・」(私個人の将来設計は無視か)

そのまま終了。

・・・・・なんというか・・・・
一日に天国と地獄を一偏に味わったというか。
まぁ、それぞれのお人柄もあったのでしょうが・・・
集英社を出る瞬間『もう2度とここの敷居はまたぐまい』と思った事は確かでありました。

更新:2015年4月10日