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持ち込み体験談

天狼さん 10/07/19

こちらでははじめまして。先日遅いながら、初めて持ち込みに行ってきたので、
参考になればと思います。

どれくらいかかるのかイメージがつかなかったので、2日間で間隔を開けて3社。
内バスが約10時間。将来バスにジェット機を付けることをおすすめする。

行ったのは SE社とK社とS社。
雑誌だと 少年GとMとJです。

テンション的には
がっくん下がってじわじわ上がった感じ。
カタカナの レ そのもの。

でも「プロ」ってなんなのか、どういうことに気をつけて描いていけばいいのか
しっかり教えてもらって大変嬉しかったです。


初めはSE社。
バスの止まるところが近かったので、時間的には余裕でしたが、
待っている間気持ち的には倒れそうだった(笑
座りたいけどベンチがなくて
トイレの便座にでも入ろうか悩んだくらいだ

ビルに入って3Fに行くと、入り口には呼び出し用の電話がありました。
内線をつかって呼び出し、担当さんを呼んでもらいます。

奥の個室にてしばし待つ。あ、エドとアル……

落ち着かないので原稿を出してみる。
セリフ脱落してn……おい何24時間テレビの番号書きっぱなしにしてるんだ
確かにあのとき急いでたからつい


担「お待たせしました」
天「あっいえ、よろしくお願いします」

みてもらう。落ち着かないのでメモを見る。質問内容とか確認して

読み終わる

担「……これ、テーマ何?」
天「えっ…… …………」

何について描きたいのか、キャラの魅力がどこなのかさっぱりだ、とのこと
言われるのは覚悟していたけども、
それよりテーマを考えていないならさっさとそうだと答えろ自分

担「どうして漫画家になりたいの」
天「その…… こう、バトル描くのが好きで、表現したいことというか、
伝えたい内容みたいなのを描きたくて」

担「それは自分のためでしょ、読む人のこと考えてる?」

「読む人に合わせて描かなくちゃ、雑誌として出す必要ないんだよ」


友情が描きたい、とか、政治的な何かについて述べたいとか、
かっこいい響きではあるけど、
読む人は必ずしもそれを観たいわけではない

担「漫画とかよんで、何でつづき読みたいっておもうか、
『おもしろいか、つまらないか』それだけだよ。

漫画家はクリエイターなんだ。生活だってそう楽じゃない。
商品として出すんだから、そういうところに目を配らないと

漫画とかいろいろ読んでる?」

天「あ、いえ……そんなに量は……影響されすぎるんじゃないかと思って」
担「大きな間違いだよ。あんなにいい参考資料はないよ。
多くの漫画家がそういうのをみて、勉強して、努力している。
君みたいな上っ面だけみてる人がなれるわけないんだ。
本当になりたいなら早くやりたい雑誌探して、
その読者にあった表現の努力をしないとダメだ」

「……で、どういう人向けに描きたいの」

天「………………」 ←考えてなかった


だから一言答えろよ……気まずくして本当に申し訳なかった……
答えに悩んで黙り込むから1時間とかとらせて……就活生のやることじゃねぇよ


そんなだったので質問もしっかり聞けずに退散。
ちなみに後々じっくり悩んで、
「男性・中高校向け少年漫画」にしようときめました。

今の今まで、雑誌の系統とか方針は、絵柄と主人公が男性なら少年漫画だと
(やぶうち先生が少女少年描くとき「ちゃお」が良かったけど、
主人公が男だったのでだめだった、と言っていたもので)
規定的な意味で思ってたので、
何も知らなすぎた自分にショックを受けました。本当に上っ面だった。

メモに考えを書きまくって何度か整理もしました。

それでも、向いてないなら辞めた方がいいという考えと、
挽回していけるという考えが交互に出てきて悶々しました

でもまぁ、今思うとよかった
前者だけの、諦めしか考えてなかったら今の俺が
タイムリープしてぶん殴りに行ってたな



結局自問自答しかできない状態だったので、不安なまま次の日K社に。

K社は警備員さんがいたることろに立っている。かなり厳重なイメージ。
(SE社も、後のS社もいなかった)

用件を言ったら「1Fに受付があるので、そこで手続きして下さい」と
あ、素通りして良かったんだ(それもどうなの
ちなみに駅から直で行ける入り口がある。すげぇ!

受付で用件を言うと、来訪者カードに名前とか書いて、
編集部に電話をしてもらいました。

ゲストプレートをもらってエレベーターへ。たしか26階。
警備員さんがエレベーター前で待ってたので
しっかり見せないといけないのかとちょっと立ち往生した
そんな必要はなかった(笑 はずかしい


結構年の近そうな担当さんでした。
奥に行くと、しきりのない休憩スペースらしきところに。
他の人も見てもらってた。うおお

読んでもらう。と同時に連絡先を教えてくれと言われたので書く。
さっきのショックがあるがとりあえずメモは出しておく
今度は答えるぞ……

担「うーん……これ読者誰向けに描いた?」
天「その……描きたいこと自由に描いてしまった感じで……
昨日も注意されたんですが」
担「あ、どこか行ったんだ。どこ?」
天「えと、S……E社……でs……」

突然SE社で合ってたかES社だったかど忘れし、小声になるひどさ

担「あーなるほど……
うん、確かに、天狼さんがこういうのが好き、ってのは分かったって感じかな。
同世代の子にはうけると思うけど、異性や年齢が変わってくるとちょっとね」
天「はぁ……」

そんな分析が出来るとは編集者ってすげぇ……

担「あとそうだな、絵が可愛すぎる」

ここは絶対合わないと言われるだろうなと思っていたので、やっぱりな……と
今回数当たれだったので……失礼を申し訳ないです

担「M(雑誌)は最近は、トラック運転手のおじさんとかが
待ち時間の暇つぶしに買ったりすることも増えてるから、こういう絵柄だと
ちょっと受けづらいかなー……絵柄を変えてもらうか、他の雑誌かかな」
天「はい」

そのほか
・盛り上がりに欠ける
→化け物がでてくるのが当たり前=「日常」であるから、
いつもでてくるのより特殊で強いやつが出てきて苦戦する=「非日常」を
考えて設定した方がわかりやすいし盛り上がる。
事件には設定にあった「非日常」をつけること。

・キャラのかき分けができてない。みんな似てる
→ファッション雑誌とかみて、髪型、性格にあった着こなしをみてみるといい。
特に制服だとみんな一緒なので、ネクタイのゆるめ具合とか、
ボタンのあけている数などをキャラによってちがくするといい。

・敵と主人公の能力がマッチしてない。
(化け物を倒す話だったのだけれど、
主人公の弟が「霊感を持っていてポルターガイストを利用する」
という設定が合っていないとのこと)
→いらない設定ははずしたほうがすっきりする

・化け物が不気味にみえない。ポケモンみたい(←笑
→動物図鑑などをみて、気持ち悪そうなところを切って貼ってするとやりやすい


担「あとそう、読んでて思ったんだけど、ヒロインは絶対必要だと思うよ」
天「!!!!!」
やっぱりそうかああああああああ完成間近になって気にはなっていたのだけれど
(今回男しか出てきてない)

担「なんかこう、男ばっかだと、読む人男性が多いから萎えるだろうし
ゲイなのかなって思っちゃうし」
天「ですよね……(笑」
そう思われるんじゃないかと気になっていたんだ←


とにかく本を読んで、系統をしって、雑誌を探してね、と言われました。
昨日みたいにまた言われるのかと構えていたので、その分ホッとしました。
担当さんの爽やかさに(


最後はS社。
入ってすぐ右に受付があり、K社同様名前を書いてプレートをもらう。
ちなみに持ち込みブースは受付のそばにあります。編集部へ行く必要はないです。

30分になって担当さんが降りてきて下さいました。
早速読んでもらう。
その間にアンケートをかいて下さい、と言われ書くが気持ちの余裕が(ry

読みながらメモを置いて何かかいてるううううわあああああああ(

読み終わる

担「はい。ありがとうございました」
天「ありがとうございます」

担「じゃあ色々言っていこうと思うんだけど」

なんでもこい……昨日でショックは慣れた(

担「わかりずらいね。絵柄はいいと思うし、動線とか描きなれてる感じあるけど」

え 絵柄絶対合わないと思ったのにっていうか初めて褒められたぞ……
でも分かりづらいのか……うーん……

担「どれくらいマンガ描いた?」
天「えーと……5作品くらい……web漫画とか入れるともう少し」
担「ああなるほど……」

メモる担当さん。ほう、担当さんもメモるのか……

担「うーん、個人的にやってると、そういう展開とか進歩しづらいね。
なんていうか、絵の説明が少ないかな、カメラワークも良くないし。
アップしすぎて肝心なところが見えなくなってるし、読む人の目線をもっと考えて
描かないと」

目線は一番気を遣ったのn……うーん……やっぱり漫画を良くよめってことかそこは


担「うーん、なんかおしいんだよなー。ここの導入部分とかすごくいいと
思うんだよ。先生がホープ(化け物の名前)の説明してるとことか、主人公の
ノートに所属団体名書いてあるとか」
天「へへへ」

おしいと言われているのにキモく照れる俺 だってうれしかったんだもん
はじめてのアメ……(

担「なんだろうな、団体にいるのにそんな感じがしないっていうか、指導者とかちょっとでも出てきたらわかりやすかったけど」

ああぁなるほど!

担「見せ方がおしいのかなー。
あとそう、幽霊が見える設定はいらないんじゃないかな。
最後のこの、死んでしまった友達のお兄さんを視る役目としているんだろうけど、
そこはなくてもいい気がするし」

つまり○ザーのヒ○ワさんみたいな感じだろうか……?

担「で、説明不足なのにセリフが多くて見づらい。こう、ホープのとこも
セリフ3行くらいで詰めてるから、印象に残りづらいんだよね。
「ホープ」で切って、「それは~~」って、吹き出しを区切って
言葉を印象づけないと。説明も簡略にね」

おおおおそうかあああ!!

そのほか
・画面切り替えでシーンが飛びすぎ →前後に+1コマくらい余裕を
・主人公2人に見所を。友人のほうがでばってる
→主人公の過去とか入ってるとよかった

担「おしいって、ホントに惜しいんだよ。
欠点があるのも、その分直せるってコトだから、もっと上に行けるし」

だめな部分の方が多かったけど、とても元気をもらいました。
なおしますがんがります!

……とはいえまだちょっと気になってたので
天「あの、雰囲気とか、絵柄とか、こう、雑誌に合ってますかね?」
担「え? いや全然、良いと思うよ。面白ければ何でも」

なにいいい(笑

天「その、前行ったところで、絵柄とか読者層とか、しっかり考えて
描かないとだめだと言われまして」
担「どこ行ったの?」

行った先を聞き、メモる担当さん。

担「うーん、読者を意識してるって感じはしないなぁ。確かに」
天「……」
担「……(言ったことが)ガンガンらしいな」

えっそうなんだ……  あ、そうだ

天「あの、女の子はもっと出した方がいいですよね。ヒロインとか」
担「え? 別にいいんじゃないの? なんで?」
天「やっぱり男性向けですし、今回の、男ばっかりだったので」
担「……えっそうだっけ!? あ、ほんとだ。男ばっか(笑
 ……うーん、でも必要不可欠ってわけでも……いる? 誰かヒロイン」

そこまで(笑  き、聞き返されても(笑

考えること数分

天「……………………○リーチの○姫ちゃんとか?」
担「あ、あの子ヒロインなんだ(笑」

^q^

とっても親しみやすく、質問もしやすい方だったので(俺がただの酷い人見知り)
勢いに乗って別のネームを
(K社で出さなかったのはこれも男しかでてなかったからでs(お前
気にはなってたんだけどね……←)


展開が小さすぎると思っていたので、言われるとおもったが

担「うん、さっきのよりはわかりやすいけど、普通」
天「……」

J(雑誌)には向かない話ではあるよな……
でもそれでも面白い展開を考えてくれる担当さん

担「友人を見て見ぬふりして……うーん違うな
 あ、主人公中国人でしょ。もうちょっと個性が欲しいな。なんでも武器に
出来るとか、弁髪とか……それはないか」

まさかの(笑 
見た目が可愛くて戦うとかっこいい、っていうギャップを入れたいと思っていた
ので、それに弁髪がくっついたのを想像したら肯定できなかった(笑

……うーん、でも、Jは見た目も個性的なキャラが多いから、そこは
しっかり考え直した方がいいのかもしれない
あとなんでも武器にするはいいかもしれないなぁ……

担「また是非持ってきて下さい。郵送でも良いけど……」
天「お金がきつかったらそうなるかも……」
担「その時は暇なときにしかみれなくなるから、時間かかるけど」

絶対持ち込むわ……



その次の日、何年ぶりに図書館で本を規定ギリギリまで借りにいきました。
ショックを受けたこともあったけど、今までと比べたら大きな進歩だと
感じています。
成人過ぎてまでプロのプの字も知らなかった自分は、もう乗り遅れている
かもしれないけど、
とりあえず手足全部使えば進めない道はないので、追いついていこうと思います。


それにしても
S社にて
担「……そう、このロッカーに入ってた人、先生だと思ったんだよ。誰この人」
天「ええと、コレはこの友達の兄貴……で」

就活生のいう言葉ではないよ……
やってしまったよ……

更新:2015年4月10日