持ち込み体験談
うさぽんさん 03/08/17これは4年前、私がはじめて持ち込みをした時の話です。
私はとある全年齢向けの月刊コミック雑誌を出版している編プロへ持ち込みに行きました。
早速編集の方に作品を見ていただいたのですが、その編集の方は若い女性で、5ページしかない作品を30分もじっくりと、何度も読み返していらっしゃいました。
さすがに不安になって、「私の作品はどうでしょうか?」と尋ねると、その編集さんは少しためらいがちに、
「もっとこのキャラクターを可愛く描けばいいんじゃないかと思います」
と、一言。
私は「はい、わかりました」と頷いて次の言葉を待っていたら、その編集さんは
「じゃあ、他に何か質問とかありますか?」
と、また一言。
え?と思いながらも、事前に用意していた質問をいくつかさせて頂いたのですが(例えばCG投稿についてなど)、どうにも曖昧な、要領の得ない返答のみ。
そして私の質問が終わると、その編集さんは、「じゃあこの作品はこのまま投稿されますか?それとも持ち帰りますか?」と聞いてきたので、じゃあ投稿します・・・・と答えたら、「じゃあ今日はおつかれさまでした」と、ロクな批評も頂けないまま終了いう形になってしまいました。
え、たったそれだけ???もっと他に言う事ないの???
・・・・・って言いたかったですけれど、自分の作品のダメダメさは理解していたので、何も言えなくて、そのまま素直に帰るしかありませんでした。
でも、いくら私の作品がダメダメで、コメントのつけようがなかったにせよ、たった一言の批評しか頂けなかった事がショックで仕方ありませんでした。
コメントする価値もないんだな・・・・って。
そしてその投稿作品の結果ですが、持ち込み時の批評があんな感じでしたからどうせロクな賞はもらえないだろうな、と諦めていたら、名前だけの掲載でしたが、とりあえずは小さい賞をいただく事ができました。(ちなみに賞金は3千円でした)
そんなわけで小さいけど賞ももらえたし、次も頑張るか・・・と思っていたら、2ヶ月後、突然その編プロから大きな小包が届きました。
なんだろう?と思って中を見たら、それは私が投稿した雑誌の最新号が10冊くらい入っていました。
なんで突然??と思いつつも送られてきた雑誌を読んでみたら、投稿して名前しか掲載されなかった私の投稿作品が掲載されていたのです。
しかも「○○コミック大賞受賞作品」という記載もなく、表紙にまるでゲスト作家のように、私のペンネームが執筆者として掲載されていました。
はっきり言って、これはかなりショックでした。
いくら投稿作品の権利は投稿先の出版社に帰属されるとしても、一言も連絡もなく作品を掲載されたのですから。
しかも何も知らされてなかったから、普通の執筆陣のような扱いで掲載されているのにもかかわらず、作家コメントが私だけ掲載されていない状態で本が出来上がっているんですよね・・・・。そして、こんな形で掲載されたとはいえ、デビューしたわけでもなんでもないのですよ。
担当さんがついたわけでもないし、それどころか連絡一つもらえないし。
雑誌に作品が載ったのにデビューできたわけじゃない、というのが何より悲しかったです。
私個人の考えとしては、持ち込むなら大手に限るなぁ、という事。
少なくとも、無断で原稿掲載って事はないでしょうから(笑)
また、原稿を雑誌に堂々と掲載しておいて、(たとえ一時でも)担当がつかないという事はないでしょうしね。
そんなわけで、怖くてそれ以来一度も持ち込みには行っていません。
ウソのようだと思われそうですが、本当の話です。
これから投稿しようとしている方の参考にはならないと思いますが、こんな体験をした奴もいる、という事で。
更新:2015年4月10日