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集英社の週刊少年ジャンプ編集部さんのほうに

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持ち込み体験談

ダイ&ディールさん 03/09/25

 集英社の週刊少年ジャンプ編集部さんのほうに先日ついに初持込みをしてき ました。一週間前に電話予約をし、その電話に出てくれた方が見てくれること になりました。電話予約はかなり緊張しました。東京観光も兼ねて1泊2日で 行ってきました。集英社に入っていく時は結構緊張しましたが、漫画を見てく れた編集者の方が、かなり気さくな兄ぃちゃんといった感じの方だったので、 その後は全く緊張することなくアドバイスを受けることができました。出され たコーヒーもおいしく頂きました。笑(何故か僕のかばんに入っていたポテト チップスを二人でつつきながらの話になりました。昼食がまだだったそうなの で、余った分は差し上げました 笑)僕は生涯2作目の作品となる45pのス トーリー漫画を、大学が夏休みに入ってから描き始め、(現在19歳です)9 月20日頃までに間に合うようにと描いていたのですが、予想以上に早くでき てしまったので、ものは試しだと思ってその後の3日間で19pのギャグも仕 上げ、(仕上がりはどうあれ3日間で19pの作品を完成させられたのには自 分でもびっくりしました)それも一緒に見てもらいました。先にギャグの方を お読みになられ(見開きで、ではなく1枚ずつでした)批評していただきまし た。ほめていただいた点は、
   
   ・キャラがわりとしっかりできている
   ・話がまとまっている
   
 といった点でした。あと、結構おもしろいとも言っていただきました。直す べき点は多すぎて書ききれないのですが、主なものをいくつかあげると

   ・既成作品の影響を受けすぎている。ギャグはわかっているが、
    作品に個性が無い。ギャグは「新しいものであること」に比重
    が高いので、もっとハチャメチャにしていい。
   ・画面が白い

 などでした。この作品では賞は正直厳しいとのこと。次に本命の45pのス トーリーの方を見ていただきました。物語の導入部分にある設定説明の部分で 何度か行き来されていたので「解りにくかっただろうか」とすこし不安になり ました。後半は僕からみると結構な速さでページをめくられていたので、「体 験談にたまに出てくる、あまりちゃんと読んでくれないハズレ編集者なのだろ うか!?」とかなり不安になりましたが、その後できちんと話のどの部分がど うだと、丁寧にアドバイスをくださったので、それは取り越し苦労だったとわ かって安心しました。読んだあとでまず「おもしろいよ」とお褒めの言葉をい ただき、そのあとで具体的なところに入りました。まず良かった点は、

   ・キャラはちゃんとできていて、主人公の、相棒とのかけひきも良い
   ・話がまとまっている
   ・設定がおもしろくて良い
   ・丁寧に描いている

 などで、これだけ見るとかなりイイ線を行っているように見えますが、悪い 点がやはりここに書ききれないほどありましたので、主なものを挙げていく と、

   ・絵が未熟である(しかしこれについては、「45p中の最初と最後 を比べてもかなり上達しているので、これからどんどん描いていけば     大丈夫」との励ましの言葉をいただくことができました)
   ・物語が尻すぼみになっていて、盛り上がりに欠ける。(これは自分で     もわかっていたのですが、ネームの段階で直そうとしなかったので失     敗だったと思います)
   ・設定を生かしきれていない。物語の核になっている巨大生物が作品中     に出てくるのですが、それがもっとラストにからんでこないといけな     い。「この設定なら後半はこう.......したり、ああ......したり     と、もっと面白くできたはず」とのこと。「なるほどなぁ」と感心     してしまいました。笑
   ・「45pで読んでいて退屈というわけではないが、中盤の大き目の1     エピソードを削れば31pにまとめることができたはず。次回作は3     1pにしよう」とおっしゃられました。45pもあれば誰にでも作品     中の世界を読者に伝えることができる。31pになってくるとその世     界を伝えて、話をまとめるのには作者の実力が必要になってくる、の     だそうです。これにも「なるほどなぁ」と、感心しました。十二傑と     手塚賞のページ制限の違いに納得がいきました。笑

 僕の漫画に関してはこんなところでした。やはりこの作品では賞は難しく、 賞を与えるなら「最終候補まであと一歩、まであと一歩」がふさわしいと。笑
 面白い人です。笑 これだけアドバイスをもらったあとですが、「あんまり 僕のいった通りにしなくてもいいよ。見る人(編集者?)によって違うし、言 いなりだと新しいものが出にくくなるから」と付け加えられ、結局一体どうし たらよいのかわからなくなったりもしましたが、(笑)おっしゃりたい内容は とてもよく伝わってきたので、次回作を頑張りたいと思います。「君はギャグ よりストーリーで行きなさい」と言われたので、(爆)ストーリーの方で。 「次回作はネームの時点で一度僕宛に送ってください」とのことなので、バン バンネームを送り付けていきたいと思います。長ったらしくなってしまいまし たが、この体験談がこれから持ち込みをしようかなと考えている人に少しでも 参考になったのなら幸いです。

  P.S  描く人の年齢は当然将来性を考慮すると重要なファクターだけ ど、だからといって年をとった人がデビューできないというワケではない。 要は実力だ。君はそんな余計なこと気にしなくていいから、 とにかく描きなさい。と言われました。(笑)参考になれば幸いです。

更新:2015年4月10日