漫画の投稿や持ち込み、アシスタント、漫画学校などの貴重な体験談です。みなさんの体験談を募集中です!

若くしてマンガ家になれずに、いまマンガを一時あきらめざるをえない私が、若人に説く現実。

ホーム > 体験談 > 若くしてマンガ家になれずに、いまマンガを一時あきらめざるをえない私が、若人に説く現実。
このエントリーをはてなブックマークに追加

その他体験談

本気でプロを目指す若人へさん 05/05/13

若くしてマンガ家になれずに、いまマンガを一時あきらめざるをえない私が、若人に説く現実。

プロになれるか、なれないかは作品の良し悪しではないよ。
良い作品なら即連載ってのは、宝くじに当たるようなもの。天才はほんのひとにぎりだよ。

私も若い頃、作品さえ良ければプロになれるという、漠然とした考えだけだった。
けど、ダメになって分かった。
今、活躍されているプロの方々も、最初はヘタだった。けど、プロになれた。そして活動を続けてこられて、
今では堂々とマンガで飯を食える格別のレベルに達っしておられる。
だから私も最初はヘタでいいんだと思っていた。しかし、私はプロになれなかった。
この違いはなにか?それは、やり方にあった!

18歳前後までの人!なんでもいいから即上京しな。編集部に足しげく通って、作品よりも顔を売るんだ。
25歳までに7年間、顔をだしつづければ、おのずとチャンスはつかめるよ!
25歳までの暗黙の年齢制限ってのは実はこのこと!
若ければ、若いほど通える時間に恵まれる。
18歳からなら7年間。24歳からなら、たった1年間。どっちの時間のほうが顔を売れか分かるでしょ。

若い頃、たまたま地方にいた私は、作品が良ければという思いで、ひたすら一人精進した。
プロ並みの作品を仕上げて、一発で成功をと思い描いたんだ。
けど分かった現実は、私の作品レベルの新人はゴロゴロいるということ。彼らも精進してたんだ。
私も彼らも天才ではない。
だから一番、編集部に顔を売り込んだ営業上手が、プロの道を勝ち取っているんだ。

25歳を過ぎた場合、編集部に足しげく通っても、同じ戦法を取っている若人に負ける。
さらに、歳がいくと実生活が忙しくなり、やはり、若人との自由時間の競争に敗れる。

だから、歳とった社会人がプロを目指し勝負するには、若者には描けない経験を活かした歳相応の作品しかない。
それは逆に、若い作家たちのようなデタラメが通じにくくなるということ。
作品として、求められる質は上がるし、なによりも先ず経験を積む時間がいる。つまり、
ますます歳をとるということ。

ね、若いほうが断然有利だし、若い頃だからこそ凡才でも努力次第なんだよ。
自分が、手塚治虫のようにハイペースで良品を量産できる人間でないのであれば、じみちに時間かけて、自分の顔売るしかないよ。
プロになる人たちだって、作品は大したことないんだって。
天才ではない人間にはこのやり方しかない。
私は失敗して悟った。頭ではなく、実体験として!

なぜ私がこのようなこと書いたかというと、もう私は若くなれないから。
だから若い人に、私と同じく不器用で臆病な人に、マンガを愛している人に、
若さという一番の武器を、有効に使ってほしい。

君たちも天才ではないはずだよ。

更新:2015年4月10日